本研究では、穏やかな条件で加水分解した水和酸化物粒子の多孔化手法の展開と、水和酸化物を原料とした酸化物粒子合成手法の有用性について検証した。結果として、従来は多孔化が困難であった金属酸化物および複合酸化物の多孔化を可能とするとともに、非常に低温での結晶化を可能とした。特に、直接の合成では粒径や形態の制御が困難な化合物でも、水和酸化物を原料とすることによって、その合成が容易に可能となった。また、原料粒子の化学的安定性の低さは、液相下における原料への異種イオンの拡散や、原料成分の溶解・再結晶に有利であり、結晶の異方性長を促す場合にも好適な反応場を提供できることを明らかにした。
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