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2018 年度 実施状況報告書

異種金属箔材の摩擦攪拌拡散接合における攪拌領域の特定と接合メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K06814
研究機関宇都宮大学

研究代表者

高山 善匡  宇都宮大学, 工学部, 教授 (60163325)

研究分担者 山本 篤史郎  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (40334049)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアルミニウム合金 / チタン / 銅 / ジルコニウム / 鉄 / 箔 / 摩擦撹拌拡散接合 / 異材接合
研究実績の概要

5052アルミニウム合金と異種金属の100um厚の箔材に対し、摩擦撹拌拡散接合(Friction Stir Diffusion Bonding:FSDB)による重ね合わせ点接合を試みた。異種金属の組み合わせは混合エンタルピーが負の値を取る5052Al/Ti、5052Al/Cu、5052Al/Zr、5052Al/Feと選定した。接合パラメータは初期回転数60,000-105,000[rpm]、押し込み量3-20[um]、の範囲で変化させ、接合時間10[s]一定とした。摩擦撹拌は、接合過程において摩擦熱による温度上昇と材料の撹拌の二つの効果を与える。このうち温度の寄与を調査するためにセラミックヒーターを用い、箔材を初期設定温度20-150[C]の範囲で加熱して接合実験を行った。
その結果、常温時(初期設定温度20[℃])で接合を行った時、押し込み量10[um]で全ての組み合わせで幾何学的ツール接触直径1.88[mm]を超え、良好な接合ができた。異なる箔材温度において最適接合条件が異なる結果が得られた。すなわち、5052Al/Tiの組み合わせにおいて、初期設定温度20[C]時には、接合強度σ=146[MPa]が得られた。一方、初期設定温度150[C]時には、接合強度σ=69.13[MPa]が得られた。ツールの先端は、粒度P2000の研磨紙で表面処理を行い、Ra26[nm]とした。このツールを使用した接合において、最小押し込み量3[um]で良好な接合直径と上箔厚さを得た。以上から接合パラメータ、初期設定温度、押し込み量及び初期回転数を改善することによって良好な接合継手を得られることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

4種類の異種材料の組み合わせ5052Al/Ti、5052Al/Cu、5052Al/Zr、5052Al/Feに対し、重ね合わせ摩擦撹拌拡散接合を試み、良好な接合がなされること、温度の影響ならびにツール先端形状の効果を明らかにすることができた。撹拌領域に関しては、Pt-Pd蒸着膜をトレーサーとして使用することにより概ね特定されつつある。

今後の研究の推進方策

撹拌領域に関しては、Pt-Pd蒸着膜をトレーサーとする方法に加え、箔材接合断面の詳細な観察・解析により、撹拌領域の変形等を明らかにする。これによりAl合金/異種金属箔材接合界面の重ね合わせFSDBの接合メカニズムを解明する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 5052Al/ 金属箔材の摩擦攪拌拡散接合に及ぼす温度の影響2019

    • 著者名/発表者名
      高山 善匡、猪狩 昂平 児玉 崇、渡部 英男
    • 学会等名
      日本金属学会2019年春期大会
  • [学会発表] 5052Al/金属箔材の摩擦攪拌拡散接合継手に及ぼす温度の影響2018

    • 著者名/発表者名
      猪狩昂平,児玉崇,高山善匡,渡部英男
    • 学会等名
      軽金属学会第134回春期大会
  • [学会発表] 5052Al/金属箔材の摩擦攪拌拡散接合に及ぼす温度と押込み量の影響2018

    • 著者名/発表者名
      猪狩昂平,児玉崇,高山善匡,渡部英男
    • 学会等名
      軽金属学会第135回秋期大会
  • [学会発表] 微小押込みによるアルミニウム合金 箔材の摩擦攪拌接合2018

    • 著者名/発表者名
      中山和樹、児玉崇、猪狩昂平、高山善匡
    • 学会等名
      軽金属溶接協会 年次講演大会

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公開日: 2019-12-27  

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