低速電子線誘起反応と水素原子の低温トンネル反応を利用した独自の製膜法を用いて、温室効果ガスの一種で削減対象であるフッ素含有温室効果ガス(F-GHG)を低温で分解し、フッ素含有非晶質カーボン(a-C:F)やPFC薄膜を合成した。表面形状や化学結合状態、水の接触角等の物性を詳細かつ系統的調べ、付加価値の高い機能性薄膜として応用するための基礎的知見を得ることができた。また、既存のプラズマプロセスでは困難であった低融点素材のプラスチックや繊維や和紙表面に高品質のフッ素樹脂薄膜を形成可能とする新規低温合成法の有効性を実証した。F-GHGの除害と機能性薄膜形成を同時に実現できるユニークな方法である。
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