研究実績の概要 |
理論班は、(Mn1-xFex)CoGe, Mn(Co1-xFex)Ge(x=0.125)の第一原理計算による構造障壁の計算を継続中である。 これまで我々が第一原理計算(電子構造計算)により得ていた、六方構造と斜方構造、それぞれに対する”単位胞の体積とエネルギーのグラフ”からMnCoGe,(Mn1-xFex)CoGe, Mn(Co1-xFex)Geには構造転移障壁が存在することを定性的に説明できることがわかった。しかし、構造転移障壁の大きさを評価するには、2つの構造をつなぐいくつかの仮想的な構造をつくり、これらに対する第一原理計算を実行する必要があることが分かった。現在、Fe原子置換により構造転移障壁が減少する原因をミクロな視点(原子的スケール)から探るために、構造が六方から斜方へと変化していくときの構成原子の変位に注目して解析している。 実験班は、X線回折パターンと、XRDシミュレーションによる比較から、サイト依存性についての評価を行なった。CrAlGeはTiSi2型構造をとり、8a-siteをCr,16fサイトをAl/Geが占有する。Crが16fサイトを一部占有する場合のX線回折パターンについて検討した。Al/GeとCrの不規則性の導入により低角度の回折ピーク強度に変化が見られた。今後、CrAlGe試料の時効熱処理を行った結果との比較を行う。 CrAlGeにおける,Cr、Al、Geの不規則性について理論的な結果と実験的な結果を踏まえた論文を関連学会に投稿する準備をしている。
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