国内におけるシリコン産業で発生するシリコンスラッジは年間3,000トンと推定され、珪石より製造された半導体シリコンの87 %に相当するほか、その殆どが埋め立て処分されている。シリコンスラッジには不純物が混入しており、半導体産業への直接的な再利用は難しいが、本研究で良質な微粒子が得られることが確認された、不純物に対して比較的鈍感な物理的性質をもつMg2Siとして再利用が進めば、環境や経済的負荷の低減に繋がる可能性が高い。用途には熱電変換素子やリチウム電池用負極材のほか、車載部品等に利用される、マグネシウム、アルミニウム合金を母材とする高剛性軽金属基複合材料のフィラー用途など広く期待される。
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