本研究では、再生可能エネルギー起源のエネルギーシステム高効率化を目指して、高水素貯蔵密度かつ低コストのMgを水素貯蔵材料として利用すべく水素化物合成研究を実施した。Mgの主課題は水素化物の不安定化を図り、水素吸蔵放出反応温度を低下させることである。高い水素貯蔵量および低い原料金属コストを実現するため、Mg, FeおよびSiから成る新たな水素化物の合成に成功し、各種構造解析により特殊なナノメートル構造が水素とMgの反応温度低下に結びつくことが実験的に示された。本研究により、水素エネルギーの広い社会普及に向けた低コスト水素貯蔵材料の開発指針が得られたものと期待できる。
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