研究課題/領域番号 |
17K06875
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
渡邉 義見 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50231014)
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研究分担者 |
知場 三周 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10780356) [辞退]
佐藤 尚 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50402649)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アルミニウム / 鋳造 / 結晶粒微細化剤 / ヘテロ凝固核 / 界面マッチング / 結晶構造 / 異方性 |
研究実績の概要 |
Al-Ti微細化剤中の板状Al3Tiは結晶対称性が低いD022構造を有し,ヘテロ凝固核として用いた場合,面によってAl結晶相との界面マッチングが異なる.そのため,面によって微細化能が変化することが予想される. まず,板状Al3Tiを含むAl-Ti合金の多軸鍛造により粒状Al3Ti粒子を含む試料を,放電プラズマ焼結により球状Al3Ti粒子を含む試料を作製した.これらに対してレーザ照射を行い,部分的に溶融,凝固させることでAl3Ti粒子の形状変化について調査した.その結果,エネルギー密度の小さな条件でのレーザ照射では,多軸鍛造試料および焼結試料ともに微細なAl3Ti粒子の形成が見られ,エネルギー密度を大きくすると,一部の粒状Al3Ti粒子がレーザ照射によって分解され,新たに板状Al3Ti粒子が晶出する現象が見いだされた.また,多軸鍛造を施すことで,微細化能が向上することもわかった. 次に固液共存温度への加熱による,Al-Ti系微細化剤中の初晶Al3Tiの形状変化についても調査を行った.この目的のため,二段急冷装置を新たに開発し,①合金の完全溶解,②固液共存温度までの冷却,③その温度からの急冷凝固が行えるようになった.二段階急冷遠心鋳造実験も行い,液相単相から急冷した場合では微細なAl3Ti粒子が見られ,固液共存状態から急冷した場合では微細なAl3Ti粒子および粗大なAl3Ti粒子が存在することを見いだした.粗大なAl3Ti粒子について,合金濃度が高いほうが板厚は増し,固液共存状態での保持温度が低いほうが厚くなる傾向があった. また,D022構造を有するAl3TiおよびL12構造化したヘテロ凝固核上でのアルミニウムの凝固の分子動力学シミュレーションを行った.簡単のためD022構造には異方性を取り入れなかったものの,面により吸着原子の差異があることを見いだした.
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