本研究では、金属元素を主成分とするバルク金属ガラスについて、ガラス形成能に及ぼす非金属元素の微量添加効果を巨視的および微視的観点の双方から解明することを目的とした。構成元素数の最も少ない二成分系バルク金属ガラスであるCu-Zr系バルク金属ガラスについては、試料中に含有する酸素量を0.2 at.%程度から0.3 at.%程度までわずかに増加させることよりガラス形成能が向上することを示した。これらのガラス形成能の向上については、Zr融体への酸素の溶解度が高いこと、酸素の溶解により粘性が増加することと関連付けて定性的な説明を可能とした。
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