ニッケル,マンガンなどの卑金属元素を数ナノメートル以下という小さな粒子の状態で,高比表面積を有する担体上に担持することでナノクラスター触媒とした。酸化ニッケルナノクラスターでのアルコールのH引き抜きが,活性炭担体上で活性酸素によりC-Hの切断が行われるという担体も含めた協奏的な反応により反応が促進されることを見出した。酸化マンガンナノクラスターの場合,微細化を進めると表面酸素欠損を誘発し,マンガン価数が低くなってしまいアルコール酸化反応には不利に作用するため,サイズ制御だけでなく価数制御も必要であるという触媒設計に対する指針が得られた。
|