研究実績の概要 |
1. ルイジアナ州立大学との共同研究により、FlimPIAの数理モデルを作製しつつある。現時点の結果、アクセプタの酸化的発光反応の向上、あるいはドナーのアデニル化反応の抑制が細胞内検出に必要なことが解明されつつある。今後は、数理モデル完成後、アクセプタ・ドナーの性能の最適下を試みる。 2. FlimPIAに匹敵する性能を持つ蛋白質間相互作用検出系である3-split Nanoluc PCA (Protein-fragment Supplementation Assay)を構築した(Ohmuro-Matsuyama and Ueda, Analitycal Chemistry, 90, 3001-3004, 2018)。PCAでは、通常、酵素を2つに分断して使用するが、本系では、2つのペプチド(LcBiT, SmBiT)と残り部分(LnBiT)の3つに分断した。融合させる酵素由来の部分がペプチドサイズであることから、相互作用タンパク質の発現時におけるフォールディングの問題・立体障害の問題が解消される点が、本法の大きな長所である。相互作用タンパク質に各々LcBiT・SmBiTを融合させ、LnBiTと基質を添加すると、相互作用時に発光値が50倍以上上昇した。さらにSmBiTのアミノ酸配列を最適化することにより、肉眼で観察可能な程、シグナルが明るくなり、その発光値が1時間以上継続した。本法は、非常に注目され、Analytical Chemistryに掲載された他、2017年度日本生物工学会大会トピックスに選出され、3月13日に日経産業新聞に掲載され、2018年度蛋白質科学会にて招待講演を行う。今後、本系を細胞内検出に応用する。
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