研究課題/領域番号 |
17K06931
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
伊藤 創平 静岡県立大学, 食品栄養環境科学研究院, 准教授 (70372836)
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研究分担者 |
中野 祥吾 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80748541)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 人工抗体 / コンセンサス設計 / アルカリフォスファターゼ / 配列のヒト化 / 祖先型設計 |
研究実績の概要 |
H29年度の主な目標は、生産性か高く物性の優れた 抗体シード骨格の設計であった。ラマ由来VHH抗体を鋳型として人工設計し、20%程度新規な配列を持つFcAb1およびFcAb2は、大腸菌にて10mg/Lのスケールで調整可能であったが、抗原認識部位を導入すると生産性が大きく落ちたり、沈殿しやすいなどの欠点を持っていた。また、フォールディングおよびジスルフィド結合形成の改善を期待し、ペリプラズムへの発現等を試みたが、改善されなかった。そこで、設計法自体の改良、設計に用いるパラメーターの精密化に初年度は注力した。 改良されたプログラムにより再設計したFcAb3およびFcAb4は、FcAb1およびFcAb2でみられた欠点が改善され、生産性および物性が大きく向上していた。そこで、H30年度の計画を一部前倒しし、TNF-α結合能を持たせる、もしくは分子生物学や臨床検査薬への応用を志向した検出用の酵素の設計も行い、蛋白を調整し、検証している。 また、共同研究にて設計を依頼されていた2つのscFvにおいて、改良されたプログラムを用いて設計したところ、1つは不溶化したが、1つは新規な抗原認識能を得たため、特許出願(特願2018-093399)を行った。なお、本件に関しては、プログラムの改良を行ったのみで、設計及び検証は共同研究先の成果である。その他、人工タンパク質設計法の検証・応用を志向した共同研究を多数すすめてきたが、その成果としては論文3報と特許の実績を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
設計法自体の改良、設計に用いるパラメーターの精密化に時間を要したため、H29年度に計画していた計画の一部を遂行できなかった。しかし、H30年度以降の計画を前倒ししている部分もあるため、総合するとおおむね順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
改良されたプログラムにより再設計したFcAb3およびFcAb4は、プロトタイプに比べると、生産性および物性が大きく向上していた。また、設計法の改良により、新規な機能を付与できる場合がある事を見いだしたので、これらの知見も加味し、抗体と融合、もしくは検出用の酵素などの設計及び検証を行い、最終的には大腸菌のような低コストな生産系で、これまで大腸菌では大量調整が困難であった有用タンパク質の人工設計を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
僅かであるが、残金が生じてしまったため。
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