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2019 年度 実績報告書

プリカーサ現象を伴う超高速再突入飛翔体周りの非平衡プラズマ流の特性解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K06946
研究機関鳥取大学

研究代表者

川添 博光  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (40260591)

研究分担者 山田 剛治  東海大学, 工学部, 准教授 (90588831)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードプリカーサ / 衝撃波管 / 輻射光 / 衝撃波速度 / トリプルプローブ計測 / 分光計測
研究実績の概要

本研究は、再突入探査機周りに生成される衝撃波の前方で生じる熱化学現象や輻射輸送現象(プリカーサ現象)を解明することで、探査機の飛行環境の予測精度を向上することを目的としている。プリカーサ現象は、探査機の再突入飛行速度が高くなるにつれて顕著になることが報告されているため、本研究の初期段階において自由ピストン衝撃波管の特性解析を実施して生成される衝撃波の高速化に取り組んだ。これにより隔膜破膜時に最適な運転条件が明らかになり、また隔膜形状の変更が衝撃波速度の高速化に有効であることが明らかになった。しかしながら、当初の目標として掲げた秒速14km以上の衝撃波速度を達成することができなかったが、隔膜設置部後流側の断面形状を収縮させるなどさらなる改良が必要であると考えられる。
このため、窒素気体中に秒速6km程度の衝撃波を生成してプリカーサ現象の特性について調査した。この結果、秒速10km以下の再突入速度においては、衝撃波前方で窒素分子の電子励起、光解離、及び光電離が生じることを実験的に実証することができた。また高速再突入時のプリカーサ現象を調査するために、アルゴンを試験気体として調査を実施した。トリプルプローブ計測や発光分光計測により衝撃波前後における電子温度と電子密度の空間分布特性を取得することができた。この結果について、アルゴン原子の光電離モデルを組みこんだCFDコードを開発して解析を行った。
これより、衝撃波前方領域に関しては電子温度と電子密度両方とも計算結果と同程度のオーダーになることが分かった。一方、衝撃波後方領域に関しては、電子温度は計算結果と良い一致を示しているものの、電子密度に関しては計算よりも一桁高いオーダーになることが分かった。以上から、プリカーサ現象を再現するためには、光電離に加えて他の物理現象を考慮する必要があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] クィーンズランド大学(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      クィーンズランド大学
  • [雑誌論文] Precursor phenomena ahead of a re-entry vehicle into Earth atmosphere2019

    • 著者名/発表者名
      H. Kawazoe, G. Yamada, K. Sakamoto
    • 雑誌名

      46th EPS Conference on Plasma Physics (EPS2019)

      巻: Vol. 43C ページ: 1184-1187

  • [学会発表] 自由ピストン駆動型衝撃波管によるプリカーサ現象の実験・検証2020

    • 著者名/発表者名
      後藤佑都、松下 昂、山田剛治、坂本憲一、川添博光
    • 学会等名
      日本機械学会中国四国支部学生会 第50回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 自由ピストン駆動型衝撃波管を用いた衝撃波前方領域におけるトリプルプローブによるプリカーサ輻射加熱の実証2019

    • 著者名/発表者名
      松下 昂、後藤佑都、坂本憲一、山田剛治、川添博光
    • 学会等名
      第56回日本航空宇宙学会 関西・中部支部合同秋期大会
  • [学会発表] Precursor phenomena ahead of a re-entry vehicle into Earth atmosphere2019

    • 著者名/発表者名
      H. Kawazoe, G. Yamada, K. Sakamoto
    • 学会等名
      46th EPS Conference on Plasma Physics
    • 国際学会
  • [備考] プリカーサ現象を伴う超高速再突入飛翔体周りの非平衡プラズマ流の特性解明

    • URL

      http://www.mech.tottori-u.ac.jp/ryutai/research.html

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公開日: 2021-01-27  

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