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2017 年度 実施状況報告書

マルチコプターに主翼を付加した垂直離着陸機の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K06952
研究機関熊本高等専門学校

研究代表者

葉山 清輝  熊本高等専門学校, 情報通信エレクトロニクス工学科, 教授 (00238148)

研究分担者 入江 博樹  熊本高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70249887)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード垂直離着陸機 / 主翼付きマルチコプター / カイト翼 / ティルトローター / ドローン
研究実績の概要

提案する主翼を有するマルチコプターをもとにした垂直離着陸機(VTOL)2種類のうち,可変ピッチ翼付きマルチコプター型VTOLは試作機による実験結果を加味して実証試験用の機体をトライコプター型とヘキサコプター型の2種類製作した.トライコプター型の実証試験機は推定飛行時間25分でスタビライザー付きの高角高画質カメラ(GoPro)を搭載している.ヘキサコプター型の機体はペイロード1kg以上の搭載が可能で,翼付きの利点である省電力長時間飛行を目指している.完成した機体の飛行試験までは終えて,ここまでの成果を国際会議で発表したほか各種展示会で機体の公開をした.今後は実証実験と機体の改良を行っていく予定である.
チィルトローター式のVTOLについては,申請時に提案した前方の二重反転ローターをティルトする機体を試作した.機体の飛行試験を行い,ホバリングから水平飛行への滑らかな飛行形態の遷移ができることを確認し,その成果を国際会議発表で発表し論文にまとめた. また申請時に示したテールローターのみティルトするVTOLについては,更なる省電力飛行が可能となるようにすべてのローターをティルトするように機体を作り直している.
可変ピッチ翼付きマルチコプターを試作・飛行試験をした際に明らかになった地面効果による離着陸時の不安定性や横風の影響に対する解決を模索し,柔軟性のあるカイトを主翼として付加したマルチコプターを新たに考案した.既に機体の製作と試験飛行も行い,固定翼を付加した場合には無い利点を見出したので特許出願と国内学会発表までを行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

固定翼機とマルチコプターの中間に位置する機体として,本研究で提唱する主翼を有するマルチコプターの試作機,実証試験機を製作し,その有用性を広く知ってもらうために学会発表および各種展示会での公開を行うことができた.これらは当初の研究計画よりは早く進展している.
年度当初より可変ピッチ翼の実証試験機が完成し,またカイト翼を付加したマルチコプターの発案と試作も早い段階でできたため,機体の原理検証までの成果発表を先に行ったために,研究計画で記載していた機体の安定性、飛行性能、電力消費量についての定量的な検証はできていない. また自動操縦と最適飛行ルートの検証についても,新規機体の製作と改良を同時に行っていたために自律飛行の飛行許可申請を出せておらず,飛行実験を行っていない.
以上より,研究の研究の進捗の早いもの遅いものがあり,両者を勘案しておおむね研究は計画通りに進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

可変ピッチの主翼を有するマルチコプターについて,本年度は機体の安定性、飛行性能、電力消費量についての定量的な検証を行う.更に実証実験を進めてその成果を周知し実用性を認めてもらうことで,企業との共同研究や商品開発まで進めていきたい.
本研究から派生して開発を始めたカイト翼を付加したマルチコプターについても更に検証を進めていく.
チィルトローター式のVTOLについては,全ローターをティルトさせる機体を新規に製作中であり,この機体の飛行試験と安定性,飛行性能についての検証を行う.

次年度使用額が生じた理由

残額が少額であったため,使い切らずに次年度に支出することにした.

備考

展示会出展6件: “マルチコプターに主翼を付加した垂直離着陸機”,イノベーションジャパン2017出展,東京ビッグサイト,2017年8月31日-9月1日,
“くまもと産業ビジネスフェア(ワンダーメッセ熊本)出展”, グランメッセ熊本, 2017/10/27-28 ,など

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Trial Production of Vertical Take-Off and Landing Aircraft Based on Y4 Quadcopter with Tilt Coaxial Rotors and Fixed Delta Wing2018

    • 著者名/発表者名
      Kiyoteru Hayama, Takaaki Ishibashi and Hiroki Irie
    • 雑誌名

      ICIC Express Lewtters

      巻: Vol. 9, Issue 3, ページ: pp.171-176

    • 査読あり
  • [学会発表] Trial Production of Vertical Take-Off and Landing Aircraft Based on Y4 Quadcopter with Tilt Coaxial Rotors and Fixed Delta Wing2017

    • 著者名/発表者名
      Kiyoteru Hayama, Takaaki Ishibashi, Hiroki Irie
    • 学会等名
      12th International Conference on Innovative Computing, Information and Control (ICICIC2017)
    • 国際学会
  • [学会発表] Trial Production of Variable Pitch Wing Attached Multicopter for Power Saving and Long Flight2017

    • 著者名/発表者名
      Kiyoteru Hayama, Hirofumi Ohtsuka and Hiroki Irie
    • 学会等名
      Proc. of The 5th IEEE/IIAE International Conference on Intelligent Systems and Imge Processing 2017 (ICISIP 2017)
    • 国際学会
  • [学会発表] カイト翼を有するマルチコプターの試作2017

    • 著者名/発表者名
      葉山清輝、宇佐 啓,本田 涼,入江博樹
    • 学会等名
      第55回飛行機シンポジウム
  • [備考] 熊本高等専門学校 教員紹介-葉山清輝

    • URL

      http://www.kumamoto-nct.ac.jp/gyouseki/1000037.html

  • [備考] 自作飛行体いろいろ(youtubeプレイリスト)

    • URL

      https://www.youtube.com/playlist?list=PLf2CE858d8UUpaxSzMD8luKJiHHSHGD6k

  • [産業財産権] 垂直離着陸機2017

    • 発明者名
      葉山清輝,入江博樹
    • 権利者名
      葉山清輝,入江博樹
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2017-168957

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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