研究課題/領域番号 |
17K06961
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
佐々木 秀次 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (00554958)
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研究分担者 |
塚本 達郎 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50207346)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | PM / 舶用ディーゼル機関 / 揮発性成分 / 凝縮・凝集 / 核生成粒子 |
研究実績の概要 |
2020年度は舶用4ストロークおよび2ストロークディーゼル機関を供試機関として,それらの排ガスを対象とした排ガス内状態変化に関して実験を実施するとともにとりまとめを行った.4ストロークディーゼル機関の排ガスを対象とした実験では,PM濃度(ソックスレー抽出によるSOF濃度,ISF濃度を含む)を中心に,Soot濃度,HC濃度を同時計測し,排気管内における濃度と,計測時の流路やダイリューターによるサンプルガス温度低下によって核生成し,減衰するHC濃度等の同時計測を実施した.また,サンプル流路における粒子の減衰量を粒子個数ベースで計測を実施し,その影響を確認した.2ストローク機関の排ガスでは,4ストロークディーゼル機関の排ガスを用いた実験と同様に,SOF,ISF濃度とともにSoot,HC濃度を計測し,揮発性成分の凝縮(粒子化)状況に関する検討を実施した.実験結果から,沸点の異なる揮発性成分が排出されていることが確認できた.4ストロークディーゼル機関では発電機特性時の低負荷率時に揮発性成分であるSOF分の割合が上昇し2ストローク機関では全負荷域において4ストロークディーゼル機関と比較して高い割合のSOF分が排出されるが,4ストロークディーゼル機関の揮発性成分は,排気管内と計測時の温度濃度状態による差は,極微少サイズである核生成粒子では検出できるが,HC濃度ではほとんど差が見られなく,低沸点の成分が由来する揮発性成分が多いことが示唆される.また2ストローク機関の排ガスでは,排気管内の排ガスと計測時の温度濃度による揮発性成分濃度差が大きく,高沸点の成分(既に排気管内で粒子化していると考えられる粒子)が高い割合であることが考えられる.これらの結果と文献調査から,潤滑油由来の成分と燃料油由来の成分に関して,前処理温度帯や希釈によって検出対象を分離し目的に応じた計測を実施できる可能性がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ディーゼル機関の揮発性成分の凝縮に関する実験のうち,実排気管内における温度低下時の状態変化による計測実験が未完了となっており,2021年度に引き続き実施する状況にある.また,コロナウイルス感染症に関連した就業状態と研究の実施人工の低下は,2020年度下半期には解消しつつあり,このペースで研究を遂行できるようすすめる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗に記載したとおり,ィーゼル機関の揮発性成分の凝縮に関する実験のうち,実排気管内における温度低下時の状態変化による計測実験が未完了となっている.この実験の準備状況としては,排気管の変更工事等は完了させており,計測を進める段階にあるため,研究を速やかに遂行する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗状況および今後の計画で記したとおり,一部の実験が未完了となっている.2021年度は,既に実験準備および実験の実施を進めており,年度内に完了する予定となっている.
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