大型船舶に用いられる機能性船底塗料の一つであるハイドロゲル塗料を対象に、その摩擦低減効果を明らかにするために、水槽試験における抵抗試験及び数値計算を行った。水槽試験ではハイドロゲル塗料と塗布した平板が一様流中で受ける摩擦抵抗を測定し、層流-乱流遷移域と発達乱流域では形成される乱流渦の形態が異なり、抵抗低減効果は遷移域で顕著となることが明らかになった。また、数値計算では塗膜の粗度を一様な粗度分布から非等方な分布に変更することによって、粗度があってもハイドロゲル塗膜のせん断応答性によって抵抗低減効果が得られることを示した。
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