資源地質学は、金属鉱床の形成メカニズムに関わる基礎研究であるのと同時に、資源探査に貢献をもたらす。鉱山会社は鉱床や鉱徴地の鉱石品位などのデータを有するが、鉱体の詳細な鉱床学的な記載、流体包有物分析や酸素-水素-硫黄同位体分析に基づく鉱化作用のタイプ区分と鉱床形成条件と形成プロセスの検討は、大学等の研究機関による調査と研究活動にゆだねられている。本研究を通して、低硫化型鉱床の浅熱水金鉱床に共通する特徴として、高金品位の鉱石は、流体包有物中のガス成分のN2/100-10He-Arの割合が特徴的な傾向を示すことが認められた。この傾向は、将来的に鉱床探査や探鉱ツールとしての応用が期待される。
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