2011年3月の東日本大震災により発生した原子力発電所事故により、ストロンチウム、セシウムなどの核種の放射性同位体が大気、海、土壌に飛散した。これにより新たな問題として、これらの核種の処理に関する技術の不足が明らかとなった。問題点は大きく分けて二つの段階からなる。初めの段階は、飛散して希薄な放射性物質を効率よく回収することであり、次の段階はそれを安全に長期間保管することである。この問題のうち保管(固化処理)に関しては、当研究グループでこれまで行われてきた放射性廃棄物のガラス固化技術を応用して核種の安定的な長期保管が可能であると考えられる。
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