| 研究課題/領域番号 |
17K07006
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| 研究機関 | 富山大学 |
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研究代表者 |
原 正憲 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (00334714)
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| 研究分担者 |
阿蘇 司 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (30290737)
庄司 美樹 富山大学, 研究推進機構 研究推進総合支援センター, 准教授 (30361950) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | トリチウム測定 / 液体シンチレーションカウンタ / クエンチング補正 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，液体シンチレーションカウンタ（以下，LSC）による食品中のトリチウムを測定する研究である。LSCによりトリチウムの放射能を測定する際には，試料中の消光作用の補正（クエンチング補正）を行う。クエンチング作用として，化学クエンチングとカラークエンチングがある。化学クエンチングは，クエンチングスタンダードにより補正できるが，色クエンチングについては，広く補正に利用できる方法はない。化学クエンチングとカラークエンチングを同時に評価する方法を構築し，食品中のトリチウムを迅速に測定できる手法を構築する。
LSCに備えられている2本の光電子増倍管からの出力により，2次元のシンチレーションスペクトルを取得する装置を構築した。この装置を用いて，様々な食用色素で着色した試料のシンチレーションスペクトルを測定した。シンチレータは青紫色（400-500 nm）の発光を示す。ここで使用した食用色素は赤色，黄色，緑色であり，いずれもシンチレータの発光を吸収する波長で，光の吸収を示す。これを用いて，色素を加えた試料により化学クエンチングとカラークエンチングを同時に発生させた。参照用として，無色の試料調製も行い，カラークエンチングの影響を比較できるようにした。この際，試料のクエンチングの強さの指標を得るために，γ線によりシンチレータ中で発生するコンプトン電子のシンチレーションスペクトルを利用した。クエンチングの強さと計数効率の関係を得るために，放射性濃度をあらかじめ決定したトリチウム水を内部標準として用いた。
その結果，γ線により誘起されたコンプトン電子により得られたスペクトルを評価することによりカラークエンチングの影響が強く表れる境界値を得ることができた。この境界値より，カラークエンチングの影響が小さい場合は，通常の化学クエンチングの補正を行えばよいことが示された。
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