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2019 年度 実施状況報告書

燃料デブリ分析に向けた核種濃度分析法の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 17K07012
研究機関京都大学

研究代表者

堀 順一  京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (30362411)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード燃料デブリ分析 / 非破壊分析 / 中性子共鳴 / Self-indication法 / 核分裂生成物
研究実績の概要

福島第一原子力発電所の廃止措置において、核物質計量管理の観点から、炉心から取り出した燃料デブリ中に含まれる核燃料物質を非破壊で定量する技術が重要である。ところが、燃料デブリは高い放射能を有し、核燃料物質以外にも多くの不純物が含まれた複合物質であるため、従来の方法に比べて高い核種識別能力で迅速且つ簡便に分析する非破壊分析技術開発が求められている。
そこで、燃料デブリ分析への適用を目指して、Self-indication法を共鳴吸収を利用した新たな非破壊分析法の開発を進めている。
令和元年度は、実用化を見据えて、汎用的な小型定常中性子源を用いたときのSelf-indication法による非破壊分析法の性能を数値計算及び実験によって評価した。
厚さの異なる測定試料に白色中性子ビームを照射したとき、測定試料の下流側に設置したPu-239 indicatorでの核分裂率をモンテカルロ・シミュレーション計算によって評価した。試料の上流側にGdフィルターを挿入することによって熱中性子成分を遮蔽することによってPu-239の第一共鳴による吸収の寄与を際立たせることができるため、indicatorの核分裂率の変化量が測定試料中に含まれるPu-239の数密度と強い相関性を持つことが分かった。また、測定試料中に含まれる不純物核種がindicatorの核分裂率に及ぼす影響を大幅に低減できることが分かった。このことから、高純度のPu-239をindicatorとして用いれば、TOF法を行わずに燃料デブリに対してPu-239の含有量の概算ができる見通しを得られた。
さらに、京都大学電子ライナックにおいて、Self-indication法を適用した中性子イメージング実験を行ったところ、TOF情報を用いることなく核種弁別中性子イメージングが可能であることを実証するデータを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は実用化を目指した試験として、核燃料物質を用いた実験と数値計算で期待した成果が得られ、中性子イメージングへの応用の可能性も示すことができたので、概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

これまでの実験及び数値計算で得られた成果の公表に努めるとともに、分析能力の定量的評価を行うための追加実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

本研究成果について学術誌への論文投稿を行うにあたって追加実験を行う必要が生じた。自年度は追加実験に必要な消耗品の購入と、成果を公表するために必要な経費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 定常中性子源を用いたSelf-indication法の核物質検知への適用性研究2020

    • 著者名/発表者名
      堀 順一、佐野 忠史、高橋 佳之、八島 浩
    • 学会等名
      日本原子力学会2020年春の年会
  • [学会発表] Self-indication法を用いた中性子共鳴濃度測定の高度化2019

    • 著者名/発表者名
      堀 順一、佐野 忠史、高橋 佳之、八島 浩、李 在洪
    • 学会等名
      日本原子力学会2019年秋の大会

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公開日: 2021-01-27  

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