研究課題/領域番号 |
17K07055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 大阪大学 (2018-2021) 鹿児島大学 (2017) |
研究代表者 |
姜 英男 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい教授 (50177755)
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研究分担者 |
齋藤 充 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50347770)
八十島 安伸 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00273566)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 島皮質味覚野 / 島皮質胃腸関連領野 / 島皮質痛覚野 / カンナビノイド受容体 / シータリズム / デルタリズム / 過食 / 味覚嫌悪学習 |
研究成果の概要 |
島皮質味覚野は、その尾側の胃腸自律領野や吻側の痛覚野との機能協関により、多様な機能を発現しうる。味覚野CB1受容体の活性化による味覚野と胃腸自律領野の神経細胞集団間のシータリズムでの周期的同期活動により、甘味や美味食品の過食が生じる可能性や、デルタリズムでの周期的同期活動により味覚嫌悪学習が行われ、偏食が発現する可能性を明らかにした。また、シータリズムはGABA受容体の阻害による影響を受けないが、デルタリズム生成にはGABA作動性神経細胞が関与する可能性を明らかにした。さらに、24時間絶食後には、CB1受容体が活性化され、それによりホルマリン誘発性痛覚反応第二相が抑制されることも明らかにした。
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自由記述の分野 |
神経生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
島皮質味覚野の錐体細胞において、CB1受容体が何らかの病的原因により過剰発現されると、視床下部満腹中枢による抑制にも拘らず、甘味食品や旨味食品の過食を引き起こす可能性がある。これにより、甘味食品や旨味食品の過剰摂取の脳メカニズムが解明されれば、肥満の予防法の開発にも寄与すると考えられる。また、島皮質での味覚嫌悪学習によると考えられる偏食などの脳メカニズムの解明につながることも期待される。さらに、絶食による痛覚緩和においても、CB1受容体の活性化が関与し、かつ、味覚認知の関与も認められたことから、各島皮質でのCB1受容体が皮質機能に応じた多様な機能をもつことが明らかになった。
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