現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度新規に導入した多細胞計測システムとスパイクソーティング手法を用いた計測・解析の処理過程を確立した。この新規システムを用いて、神経活動データ計測をラット第一次視覚野、体性感覚野より実施した。得られたデータを用いて、各領野における単シナプス性結合を反映した時間遅れを伴った神経活動の特性について明らかにした。さらに、各領野の細胞の感覚応答依存性について、定量的な解析を実施した(neuro2019において発表予定)。また、サル皮質領野間で、情報表現様式に差異があることを明らかにした(電子情報通信学会 ニューロコンピューティング研究会・MEとバイオサイバネティックス研究会 合同研究会、信学技報, vol. 118, no. 470, NC2018-71, pp. 145-150, 2019年3月)。さらに、サル皮質領野間で、情報処理のダイナミクスに領野間差異が存在することも見いだした(neuro2019において発表予定)。以上のように当初計画に従って研究を進めることができたと同時に、学会発表および投稿を行うことができた。しかしながら、これら実験では昨年度から問題となっていたように、単シナプス性の直列結合を反映した結合はごく少数観察されただけであった。そこで、当初方針を変更して、単シナプス性の直列結合における情報の収束ー発散過程の領野間比較を、視床ー大脳皮質結合に注目して実施する予定である。このための予備的な計測実験・解析を実施中である。
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