研究課題
大脳基底核および前脳規定核において、パルブアルブミンを含有するGABA性中型有棘ニューロン(medium spiny neuron, MSNs)に光感受性色素を発現するマウスのスライス標本を用いて、パッチクランプ法によるシナプス伝達解析および修飾機構に関する薬理学的解析を行なった。MSNsに光刺激を与えることによって、アセチルコリン性介在ニューロン(cholinergic interneuron, ChINs)からGABA性抑制性シナプス後電流(IPSCs)を記録した。光刺激誘発性IPSCsの振幅は、電気刺激誘発性IPSCsと有意差がなかったが、時間経過は有意に遅かった。光刺激誘発性IPSCsは、外液中に投与したムスカリン受容体アゴニストによって濃度依存的に抑制され、paired-pulseによるかいせきけっかから、シナプス前性の抑制であることが示唆された。また、受容体サブタイプ選択的なアゴニストおよびアンタゴニストを用いた薬理学的な解析によって、その抑制はムスカリンM1受容体を介することが示唆された。さらに、細胞内M1受容体が関与することも示唆された。ChINsはMSNsからGABA性の投射を受け、そのシナプス伝達は、シナプス前、特に軸索終末内部に存在するM1型受容体を介して抑制されると考えられる(European Journal of Neuroscience誌に公表、2021年)。
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European Journal of Neuroscience
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