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2019 年度 実績報告書

脳領域形成の種間比較による視神経オリゴデンドロサイト前駆細胞の出現機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K07079
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

小野 勝彦  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30152523)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード比較解剖学 / オリゴデンドロサイト系譜細胞 / 視神経 / 細胞系譜解析 / マウス胎仔 / ニワトリ胚 / スッポン胚
研究実績の概要

哺乳類としてマウス、鳥類としてニワトリ、爬虫類としてスッポンを用いて、視神経オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の出現様式を比較解剖学的に解析した。これを通して、脊椎動物もしくは羊膜類における脳形成の多様性の一端を明らかにすることを目的とした。
マウスでは視索前野、ニワトリでは視交叉上領域からOPCが出現することを明らかにしてきた。爬虫類の一種であるスッポン胚では、Olig2を発現する細胞(OPCと考えられる)は、視交叉上領域や視索前野など比較的広い範囲から出現する。一方、より特異性の高いOPCマーカーであるPDGFRaは、視索前野には陽性細胞がみられたが視交叉上領域には発現しなかった。したがって、スッポン胚では視交叉上領域はOPC産生領域として大きな貢献はしていないことが示唆された。
誘導シグナルであるソニックヘッジホッグ(Shh)の発現も、スッポン胚では脳室面のみならず腹側終脳の実質内で広く発現していた。Olig2陽性細胞は、Shhの受容体であるPtc1陽性領域の近傍から出現していることは、3つの生物種で一致していた。また、3つの生物種とも、視索前野では転写因子のNkx5が発現しており、領域マーカーが種を超えて保存されていることさ示された。しかし、Nkx5陽性領域の近傍からOPCが出現するのはマウスとスッポンであり、ニワトリ胚ではOPCは見られなかった。
以上の結果から、脳の領域形成そのものは種を超えて一定の共通性がみられたが、OPCを指標とした細胞産生については、動物種により多様性がみられた。誘導シグナルの多様性と領域形成ならびに細胞誘導の仕組みとの間には、今後の課題となる未知のメカニズムが介在していることが予想された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Changes in Wnt-Dependent Neuronal Morphology Underlie the Anatomical Diversification of Neocortical Homologs in Amniotes.2020

    • 著者名/発表者名
      Nomura T, Ohtaka-Maruyama C, Kiyonari H, Gotoh H, Ono K.
    • 雑誌名

      Cell Rep

      巻: 31 ページ: 107592

    • DOI

      doi: 10.1016/j.celrep.2020.107592.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differential potentials of neural progenitors for the generation of neurons and non-neuronal cells in the developing amniote brain.2019

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto Y, Gotoh H, Ono K, Nomura T
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 9 ページ: 4514

    • DOI

      10.1038/s41598-019-40599-2.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Species differences of the origin of optic nerve oligodendrocytes in amniote embryos.2019

    • 著者名/発表者名
      Ono K, Gotoh H, Nomura T.
    • 学会等名
      第42回日本神経科学大会
  • [学会発表] Origin of optic nerve oligodendrocytes.2019

    • 著者名/発表者名
      Ono K
    • 学会等名
      International Symposium on myelin in health and disease in Hangzhou
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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