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2019 年度 研究成果報告書

細胞系譜特異的な神経回路形成に生後の経験が与える影響

研究課題

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研究課題/領域番号 17K07085
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 神経解剖学・神経病理学
研究機関大阪大学

研究代表者

足澤 悦子  大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (00446262)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード神経回路形成
研究成果の概要

私はこれまでの研究により、大脳皮質バレル野4層における興奮性細胞間に形成される双方向性のシナプス結合は神経細胞の細胞系譜に依存して形成されることを明らかにした。本研究課題では、細胞系譜に依存して形成されるシナプス形成が生後の感覚入力の影響を受けるかどうかを検証した。発達期のマウスのヒゲを数日間切ることでヒゲからの感覚遮断を施したところ、ヒゲを切ったマウスでは、細胞系譜依存的な双方向性結合の形成が阻害されることを見出した。さらに、系譜が異なる細胞間の双方向性結合には影響しなかった。以上の結果より、大脳皮質における系譜依存的なシナプス形成は、生後の経験に影響を受けることが明らかになった。

自由記述の分野

神経科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

私たちの脳は、神経細胞間シナプス結合によって形成される複雑な神経回路からなる。しかし、神経回路の形成基盤が不明のため、脳における情報処理がどのように行われているかを理解できない。私は、複雑な神経回路形成にどのような分子的ルールが存在するかを検証してきた。これまでに大脳皮質の神経回路は、生前の神経細胞の系譜に依存して作られることを示した。さらに本研究において、系譜に依存した神経回路形成は生後の経験の影響を受けることを明らかにした。今回の研究成果により、脳の複雑神経回路は、生前の系譜により決定されているだけでなく、生後の感覚入力を伴うことで完成することを明らかにした。

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公開日: 2021-02-19  

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