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2017 年度 実施状況報告書

高密度の異常シヌクレインを利用したレビー小体病の早期診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K07089
研究機関弘前大学

研究代表者

丹治 邦和  弘前大学, 医学研究科, 助教 (10271800)

研究分担者 三木 康生  弘前大学, 医学研究科, 助教 (30709142)
若林 孝一  弘前大学, 医学研究科, 教授 (50240768)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードシヌクレイノパチー
研究実績の概要

シヌクレイン(Syn)は、孤発性および家族性パーキンソン病(PD)に共通した危険因子であり、早期診断のマーカーとして利用を試みられている。しかし、健常者の脳にある正常なSynと患者脳内の異常Synを区別できないため、検出法の精度が低く臨床診断に応用するまでには至っていない。申請者らは、密度と凝集性の違いを利用して異常Synを正常Synと区別する検出法を確立した。さらに、異常Synの構造変化を感知する分子もNUB1を同定し、異常Synの目印となることを報告してきた。
そこで本研究では、異常Synおよびその目印NUB1の精製技術を生かし、特異抗体を作製後、レビー小体病の早期の臨床診断として利用できるSynの定量技術を開発すること、および異常Syn特異抗体投与による病態への影響を明らかにする。
今年度は予定通り、NUB1/NUB1LのUBAおよびPBRにある11個のセリン、スレオニンをグルタミン酸に置換したリン酸化模倣NUB1、もしくはリン酸化部位をアラニンに置換した非リン酸化変異NUB1を作製した。HeLa もしくはSHSY5Yニューロブラストーマ培養細胞を用いて、レビー小体様封入体の数および細胞分解系への影響を指標にして、変異NUB1の効果を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最も効果の高かったリン酸化部位を絞り込み、その部位に対する合成ペプチドをウサギに免疫し、順調に、抗体を作製できた。シヌクレイノパチーではNUB1がすべて不溶化しており、さらに、高度にリン酸化されている(未発表)。現在、作製した抗体の抗原特異性を確認している。今後、生化学的、病理学的検討を予定している。

今後の研究の推進方策

作製した抗体が特異的にリン酸化NUB1を認識することを確認した後、生化学的、病理学的検討を予定している。具体的には、NUB1の凝集と特に関連が深いシヌクレインの患者切片を用いて、リン酸化NUB1の局在を検討する。また患者凍結脳組織からサンプルを作製し、リン酸化NUB1の有無を検討する。この抗体を用いた免疫沈降が可能な場合には免疫沈降により、リン酸化NUB1結合分子の同定へと進む予定である。以上、病態の増悪には修飾異常が関与しており、特にリン酸化の異常はアルツハイマー病やパーキンソン病でも見出されている。凝集抑制効果を指標にスクリーニングしたリン酸化NUB1もシヌクレイノパチーの病態に深くかかわる可能性は高く、治療の標的ともなりえる。

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公開日: 2018-12-17  

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