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2018 年度 実施状況報告書

自律神経に着目したジストロフィン異常心筋症の治療法開発-最大死因の解決を目指す

研究課題

研究課題/領域番号 17K07092
研究機関東京大学

研究代表者

木村 公一  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50596236)

研究分担者 大門 雅夫  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80343094)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード筋ジストロフィー / 心筋症
研究実績の概要

【動物実験系】動物繁殖と施設管理の都合によりモデル犬については計画より少ない数での実施となったが、概ね研究計画に沿って筋ジストロフィーのモデル犬とモデルラットを対象とした実験を進めた。いずれの結果も想定よりも心障害の程度が軽度であり、かつ投与薬の効果が実験計画の想定通りに発揮できなかった。
【モデル犬を用いた治療実験】筋ジストロフィーモデル犬に対して計画より少ない3頭において実験計画に沿った治療薬の投与実験を実施した。治療薬の投与によって一部の自律神経指標は軽度の抑制ができたものの、想定どおりに心拍数低下および自律神経抑制を達成することができず、結果として心機能や心病理所見といったアウトカムの改善を認めることができなかった。
【モデルラットを用いた治療実験】筋ジストロフィーモデルラットにおいて、まず心機能障害の程度を確認するために合計64匹のラットの心臓超音波検査を行った。その結果、軽度の個体差はあるものの想定されていた程度よりは心機能障害が軽度であることが判明し、また合計23匹のラットの心臓病理検査において、心臓の病理障害も想定より軽度であることが判明した。
【臨床研究系】複数の診療拠点病院と共同で進めている臨床疫学研究においては研究対象者(参加同意者)を増やしながら順調に進展している。本研究により新たにシスタチンCを用いて測定した腎機能と心腎関連が強い予後規定因子であることを発見し、英文論文での報告発表を進めており、この成果は筋ジストロフィーという難病治療において重要な意義がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物実験そのものは概ね計画に近い状況で実施できたものの、その結果については実験計画において想定していた内容ではなかったため、計画全体の進捗状況としてはやや遅れている結果となっている。
並行して進めている臨床疫学研究は順調に進捗しているものの、英文投稿のデータ整理・統計解析の確認・Figureの作成にも想定以上の時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

【モデル犬を用いた治療実験】犬モデルにおいては計画していた範囲の薬剤投与では想定していた効果を期待できる可能性が低いことが明らかとなったため、モデルラット実験および臨床研究に研究の比重をシフトする方針。
【モデルラットを用いた治療実験】心機能障害や病理障害の程度が想定より軽度であることが判明しており、何らかの心負荷を加えたモデルで検討を進める方向に修正するか検討していく。また薬剤投与の効果や至適投与量の検索も進めていく。
【臨床研究系】英文論文での成果発表を進め、引き続き他の予後因子についても検索を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

動物実験は概ね計画に沿って進められたものの、モデル犬は想定より使用頭数が少なくなった。また動物実験の結果が想定に沿わなかった影響もあり物品費が少なくなったため次年度使用額が生じた。これらは次年度の旅費および物品費への使用を計画している。

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公開日: 2019-12-27  

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