複数の孤発性プリオン病と遺伝性プリオン病(ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病)における組織学的な検討にて、下垂体前葉細胞にプリオン蛋白の陽性所見をみとめた。下垂体サンプルを用いたプロテオミクス解析においてもプリオン蛋白は同定された。western blotでは、過剰な糖鎖修飾がある事が示され、またプロテアーゼ抵抗性プリオン蛋白(PrPres)も検出された。その他、組織学的に膵ランゲルハンス島や皮膚、筋、末梢神経にもプリオン蛋白沈着を同定した。ヒトの内分泌機構にプリオン蛋白が関与している事を示唆し、またプリオン病症例の下垂体組織にはPrPresが含まれており感染源になるうる事も示した。
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