研究実績の概要 |
平成30年度において、本研究の目的である。ビトロネクチンのマウス小脳顆粒前駆細胞(CGCP)における軸決定機構解明において、ビトロネクチンの受容体であるαvβ5インテグリン以降のシグナル経路について検討を行った。すでに海馬神経において、PI-3キナーゼ、GSK3βが関わることが報告されており、同じ経路が関与しているかどうか検討した。その結果、PI-3キナーゼ阻害剤のWortmanninにより軸索形成が阻害されることを確認し、またGSK3β阻害剤の塩化リチウムにより軸索形成が促進することを確認した。これらの結果は、小脳顆粒細胞においてもPI3キナーゼ及びGSK3βが軸索形成を担っていることを確認した。 これらの実験に加えて、当初の計画にはなかったが、神経芽腫Neuro2aによるレチノイン酸誘導性の神経突起形成の系で、ビトロネクチンの突起選択の機構を検討した。Neuro2aではレチノイン酸添加により多極性の形態から双極性の形態へと遷移していくことが観察されている。このモデル系で、ビトロネクチンをノックダウンしたところ多極性―総教区性繊維が阻害されることが観察された。この成果につていは、Miyaka Sugahara, Yuri Nakaoki, Ayano Yamaguchi, Kei Hashimoto, and Yasunori Miyamoto. “Vitronectin is involved in the morphological transition of neurites in retinoic acid-induced neurogenesis in the neuroblastoma cell line Neuro2a” Neurochem. Res. (2019) 印刷中に発表を行った。
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