先行研究において見出された水チャネルAQP4に依存したアストロサイトのアデノシン放出とコカイン投与に伴うドーパミン神経伝達の変調の関係を検討した。その結果、コカインの急性期における覚醒作用と禁断症状として発現するうつ様行動がAQP4欠損マウスにおいて消失することが見出された。また、線条体スライスにおけるアデノシンまたはドーパミン 放出を測定したところ、コカインの禁断症状はAQP4依存的なアデノシン放出の増加と、これに伴う ドーミン 放出の減少を引き起こすことが明らかとなった。これらの結果はAQP4依存的アデノシン放出の変調が精神疾患の背景にあることを初めて示したものである。
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