本研究課題は、蛋白質リン酸化酵素Cdk5と細胞骨格分子αII-spectrinに着目して、軸索に特異的な細胞骨格構造を形成する分子機構を解き明かすことを目的とした。Cdk5はαII-spectrinをリン酸化することを見出し、そのリン酸化部位を同定した。Cdk5によりリン酸化されたαII-spectrinを特異的に認識する抗体を作製した。この抗体およびCdk阻害剤を用いた実験から、神経細胞においてCdk5はαII-spectrinのリン酸化を介して軸索特異的な細胞骨格構造の形成に重要な役割を果たすことを明らかにした。
|