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2018 年度 実施状況報告書

低分子量G蛋白質を標的とした新規自閉症治療薬の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K07121
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

安田 新  公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 研究員 (20392368)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード結節性硬化症 / Arc / mGluアゴニスト / 神経活動
研究実績の概要

Arc (activity-regulated-cytoskeletal protein)は,神経活動依存的に神経細胞に発現する遺伝子として知られており(Neuron 14(2):433-45,1995)、その遺伝子産物はグルタミン酸受容体のシナプス膜への発現を調節する(Neuron 52(3):445-59, 2006)。ArcはLTP(long-term potentiation、シナプス長期増強)やLTD(long-term depression、シナプス長期抑圧)、また、空間学習課題や恐怖条件付けなどの刺激により興奮性ニューロンに誘導される(Neuron 52(3):437-44, 2006;J Neurosci 28(47): 12383-12395, 2008) 。海馬初代培養ニューロンをArc抗体を用いて免疫染色し、樹状突起におけるArcの染色輝度を比較したが、野生型、およびTsc2ヘテロマウスにおいて有意な差は見出せなかった。そこで、野生型およびTsc2ヘテロマウスそれぞれの海馬初代培養ニューロンに対して、mGluアゴニスト(DHPG)を投与した群、投与しなかった群に分けArc染色輝度を比較したところ、野生型においては、無刺激と比較してDHPG投与群においてArcの輝度が有意に増加した。一方、Tsc2ヘテロにおいては、輝度の差はみられなかった。以上の結果から、tsc2ヘテロ条件下における、mGluR依存的なArc発現の異常が、結節性硬化症にみられる行動異常に関与している可能性が考えらえた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予備実験により得られていた、野生型、およびtsc2ヘテロ間のArc輝度の差を示すことはできなかった。一方、野生型、Tsc2ヘテロニューロンにおける、mGlu依存的なArc輝度の変化の差が、結節性硬化症における行動異常と関係する可能性について、細胞生物学的に示すことができた。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、野生型、および、tsc2ヘテロにみられたArc輝度の変化の差が、Rheb阻害薬投与によりrescueされるかどうか確認する。また、in vivo条件下においても、同様の実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験が当初計画通りに進捗したことから、物品費が見積もりよりも大幅に減少したこと、 当初計画していた学会出席を業務の都合により中止したことから、多額の余剰金が生じた。研究計画が順調に進んでいることから、余剰金を国際学会、国内学会への参加費用に充当し、同分野の研究者との情報交換、および議論を深めたい。また、データ解析用のPCが老朽化したことから、修理、もしくは購入を予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 備考 (4件)

  • [備考] シナプス可塑性プロジェクトホームページ

    • URL

      http://www.igakuken.or.jp/plasticity/

  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/saba_shibaru/

  • [備考] ResearchiGate

    • URL

      https://www.researchgate.net/profile/Shin_Yasuda2

  • [備考] Google Scholar

    • URL

      https://scholar.google.co.jp/citations?user=AHtEOhcAAAAJ&hl=ja

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公開日: 2019-12-27  

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