研究課題/領域番号 |
17K07147
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
伊達木 穣 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生化学, 助教 (00415879)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝子導入 |
研究実績の概要 |
実験動物体内への遺伝子の導入手法にはウィルスベクターや非ウィルス性のカチオン分子が広く利用されており臓器によっては高効率での導入が可能である。非ウィルス性の遺伝子導入試薬に関しては近年、高効率化、低毒性化が顕著であり、取り扱いも比較的容易であることから広く基礎研究に用いられている。また、非ウィルス性のカチオン分子等による遺伝子導入に関しては、その効率を光により制御し任意の部位への遺伝子導入効率の増強、抑制が可能なケースも報告されている。これら光による遺伝子導入効率の制御に関しては有用性が認められるものの、生体組織深部への光の作用は限定的であり依然として技術的な困難を伴う。本研究は生体深部に対しても比較的容易に作用する磁場を利用し局所的な遺伝子導入効率の制御を行う手法を確立することを目的とする。上記のような技術が確立できれば基礎研究分野に新たな研究手段を提供できるほか、薬剤送達や遺伝子治療等の新たな手法の確立にもつながるものと考えられる。平成29年度においては遺伝子導入担体としての効果を持つ種々の化合物に関して一様な磁場、および勾配を伴った磁場を作用させ培養細胞への遺伝子導入の効率に変化があるか検証を行った。これらの検証の結果、磁場に依存して遺伝子導入効率が変化する化合物を複数同定した。同一の化合物であっても用いる条件により磁場への応答が大きく異なることから、最適な使用条件を決定すべく実験を行った。平成30年度においては対象とする細胞種を増やしそれぞれについて最適な使用条件を決定したほか、導入効率が磁場の作用により変化するメカニズムを一部解明した。また、当該化合物を用いてマウス体内への遺伝子導入を行い、磁場により導入効率を操作する手法の確立に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスを用いた実験では安定した系を確立することに多くの時間を費やしたことから当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
培養細胞を用いた実験計画に関しては概ね完了しており、2019年度に関しては主として実験動物を対象とした実験系の最適化に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物を用いた実験系の実施が当初の予定より遅延したため次年度使用額が生じた。2019年度は動物実験を主とした作業を実施し予算を使用する。
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