本研究は磁場を利用し局所的な遺伝子導入効率の制御を行う手法を確立することを目的として実施した。検証の結果、1.5 mTの一様磁界が培養細胞内の活性酸素レベルを一過性に低下させることを見出した。また、活性酸素により機能が抑制される遺伝子導入担体を用いた遺伝子導入実験に際し1.5 mTの一様磁界を作用させたところ遺伝子の導入効率が増強されることを見出した。培養容器内で局所的に磁界を強めることで培養細胞への遺伝子導入効率を局所的に増強させることにも成功している。動物体内での遺伝子導入効率の増強についても検証を行い、磁界の作用により遺伝子導入効率が増強されることを示した。
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