本研究では、マウスとヒトの胃がんオルガノイドを用いて、がん幹細胞の同定と悪性化機構の解明を試みた。また、得られた知見よりマウス生体内で胃がんに対する有効な治療法の探索を行った。上皮幹細胞マーカーLGR5遺伝子の発現に着目し解析を進め、LGR5陽性胃がん細胞ががん幹細胞である可能性を示唆する結果を得た。包括的な遺伝子発現解析により、これらの細胞の増殖・維持に関与する遺伝子群を明らかにした。胃がんオルガノイドをマウスの胃に同所移植することで、いくつかの遺伝子が実際に胃がん幹細胞の浸潤・転移を制御していることが明らかになった。さらに、胃がん幹細胞を選択的に除去できる薬剤候補を見つけた。
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