研究課題/領域番号 |
17K07171
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
弓本 佳苗 九州大学, 生体防御医学研究所, 特任助教 (30596838)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 免疫チェックポイント |
研究実績の概要 |
蛍光タンパク質tdTomatoを発現させたPD-L1欠損B16F1細胞を低濃度のエチルメタンスルホン酸で処理し、細胞に変異を導入した。この変異細胞をマウスに経脾移植し、肝臓に転移した169のクローン細胞を回収した。回収した細胞を再度マウスに経脾移植して、本当に転移能を獲得したかを確認したところ、ほとんどの細胞で転移能が獲得されていた。これらの転移能が獲得された細胞はを「抵抗性がん」に変化したとみなし、複数の細胞を選択してRNAseqをおこなってORF上の変異原やRNAの発現量変化を確認した。前年度に行った解析は広く一般的に使用されている解析方法だったが、最新の解析プログラムを用いると結果が全く異なり、より信頼性の高い解析データを得ることができた。RNA発現情報からクラスター解析やGSEA解析、IPAによる解析を行い、真に重要な免疫チェックポイント阻害回避経路や、有効な阻害剤の絞り込みを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度に取得したデータの解析方法は、広く一般的に使用されているものの、最新の解析プログラムと比較するとエラーが多く、pathway解析等を行う際の影響が大きい。開発者も最新の解析プログラムを用いることを推奨している。2018年度は、再解析を行い全く新しい結果を得ることができた。よってやり直しの時間の分だけ、研究計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新しく得られた解析データをもとに、重要と思われるPATHWAYの鍵分子に関してはB16F1細胞にレンチウイルスによる安定過剰発現もしくはCRISPRによるノックアウト細胞を樹立し、再度マウスに移植して転移の亢進が見られるかを確認する。さらに、前年度の解析で、PD-L1阻害と組み合わせることで相乗的な阻害効果が得られそうな薬剤候補のリストを得ることができた。今後は、このリストの薬剤についても、真に相乗効果が得られるかどうかを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究用資材の年度内購入ができなかったため。 資材入手後は6月までに当初の研究計画を達成することが出来る。
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