長い間、ラミニン-511をはじめとする基底膜分子の機能解明は、基底膜の組織からの抽出が難しいため困難であった。これまでに研究代表者は、ラミニン-511を培養細胞の上清から精製できるだけでなく、組換え蛋白質として調製できることを示してきた。本研究は、成体の基底膜に分布するラミニン-511を用いることにより、生体内における癌細胞と基底膜の相互作用をより反映させることができる特色がある。さらに、この精製されたラミニン-511は特異的な受容体であるCD239の機能解明を可能にした。本研究の成果は、基底膜に組込まれた細胞の挙動をコントロールする情報およびその読取りのメカニズムを明らかにすることができる。
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