本研究は、長鎖ノンコーディングRNA( lncRNA)によるINK4遺伝子座制御とその破綻による発癌機構の解明を目的とする。本研究の結果、我々が同定したINK4遺伝子座に存在する新規lncRNA(lncRNA on the INK4 locus; LOILと命名)が肺癌細胞、大腸癌細胞の増殖を促進する機能を持つことが分かった。その作用機序として、LOILはINK4遺伝子座にコードされているCDKインヒビターp15及びp16の転写を抑制することが明らかとなった。さらに我々は、lncRNA SLOPがp15の転写抑制を介して、細胞周期のG1期進行を促進する機能を持つことが明らかとなった。
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