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2019 年度 実績報告書

臨床応用を指向した大腸がん進展における甲状腺ホルモンの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07191
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

小島 康  愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 主任研究員 (30464217)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード大腸 / 甲状腺 / 腫瘍血管
研究実績の概要

現在、大腸がんは、日本で最も罹患数の多いがんであるが、進行大腸がんは既存の治療法に抵抗性を示すことが多く、大腸がんの新機軸の予防・治療法の開発は急務である。新規大腸がん予防・治療薬の開発を目指して、われわれは、大腸がんモデルマウスの腫瘍組織を解析したところ、甲状腺ホルモンの活性化に重要な役割を果たす2型脱ヨウ素酵素(DIO2)の発現が、がん細胞ではなくて、腫瘍組織の間質細胞で上昇することを見出した。DIO2の阻害剤を投与すると、腫瘍成長が抑制されて、大腸がんモデルマウスの生存期間は延長した。
最終年度は、DIO2の発現が、がん細胞ではなくて腫瘍組織で上昇していることをin situ hybridizationを用いて、臨床検体にて実証した。またTCGAの大腸がんデータセット(COADREAD)を解析したところ、予後不良例が多いサブグループ(CMS4)において、DIO2の高発現症例が多いことも見出した。TCGAのデータセットをin silicoにて腫瘍微小環境構成成分ごとに分画してクラスタリング解析を実施したことろ、クラスタリング解析では、DIO2は線維芽細胞・血管内皮細胞クラスターに含まれていることを観察した。これらの実験データをまとめて、査読論文を出版した。欧米を中心とした疫学研究にて、甲状腺ホルモン異常と大腸がん発症には関連があることが示唆されている。より詳細な解析が必要ではあるが、申請者らのこの研究成果は、そのメカニズム解明への一助となることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stromal Iodothyronine Deiodinase 2 (DIO2) Promotes the Growth of Intestinal Tumors in Apc Δ716 Mutant Mice2019

    • 著者名/発表者名
      Kojima Yasushi、Kondo Yuriko、Fujishita Teruaki、Mishiro‐Sato Emi、Kajino‐Sakamoto Rie、Taketo Makoto Mark、Aoki Masahiro
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 110 ページ: 2520-2528

    • DOI

      10.1111/cas.14100

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 腸管腫瘍形成におけるDio2(2型脱ヨード酵素)の生物学的役割2019

    • 著者名/発表者名
      小島 康
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-01-27  

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