研究課題
以下の3点について重点的に研究を行い、多くの成果が得られた。1)PKCηノックダウンによる増殖・細胞運動抑制メカニズムの解明と下流因子の同定PKCηノックダウンによる非小細胞肺がん株の顕著なアポトーシス誘導と細胞運動の抑制は、増殖因子受容体の分解促進や細胞接着因子の局在変化・異常が主たる原因である。その分子メカニズムとして、PKCηノックダウン細胞内では膜トラフィッキング制御因子RAB11が恒常的に活性化していること、またゴルジ体への局在異常が生じていることを明らかとした。更に、それらの異常は、ゴルジ体におけるPKCηによるRAB11スレオニン残基のリン酸化が阻害されるためであることをin vitro及びin vivoの実験系から証明した。現在、これらの成果に関する特許出願及び論文投稿を進めている。2)PKCηに対する新規低分子阻害剤の探索 本研究課題で用いたPKCηプロモーターDNAとルシフェラーゼ遺伝子によるレポーターシステムと、同スクリーニング系を使用した既知低分子物質化合物の探索から、indirubin-3'-monoxime等、3種のPKCηmRNA発現阻害物質を見いだした。それらの成果を、特許:特願2019-181792、発明の名称:ベクター、形質転換体、PKCη発現調節物質のスクリーニング方法並びにPKCη発現阻害剤として出願した。3)核酸医薬品の探索 ヒトPKCηの発現をより高効率・安定的に抑制する新規siRNA配列の検索・同定を行った。これらの成果も特許として出願準備中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)
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