ゴルジ体は、翻訳されたタンパク質が糖鎖修飾やプロセッシングを経て機能タンパク質として成熟し、細胞内・細胞外・細胞表面の予定された正しい部位に輸送される過程を調節している。スフェロイド培養は、単層培養と比較し、細胞接着が三次元に形成され、in vivoの腫瘍を模倣していると考えらえる。本研究では、ゴルジ体阻害剤によって特定のインテグリンの細胞表面発現やそのリガンドとなる細胞外マトリクス分子の細胞外への分泌を抑制し、その結果、腫瘍塊が崩壊するということを見出した。本研究の成果により、ゴルジ体阻害、ないし別の方法で当該シグナルを抑制することが、がん治療薬開発の新たな戦略となりうることが示された。
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