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2022 年度 実績報告書

ゲノム編集技術を利用した神経分化関連転写因子MIBP1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K07245
研究機関金城学院大学

研究代表者

田平 知子  金城学院大学, 薬学部, 准教授 (50155230)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード転写因子 / ゲノム編集
研究実績の概要

MIBP1(HIVEP2)遺伝子はZincフィンガーを持つ約270kDaの転写因子をコードしている。ある種の先天性知的障害はHIVEP2遺伝子変異を原因とすることから、同遺伝子は脳機能の成熟に関わっていると考えられる。本研究計画でも、神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞におけるMIBP1の発現が神経分化誘導剤であるレチノイン酸処理により上昇することを見出した。
MIBP1タンパク質が結合するDNA配列として、NF-κB応答配列をはじめ複数の配列報告されている。ヒトゲノム全体でどのような領域に結合し、遺伝子の発現制御を行っているのか明らかにするために、ゲノム編集によりMIBP1タンパク質のC末端にFLAGタグを挿入し、抗FLAG抗体を用いてその機能解析を行った。大腸がん由来HCT116細胞から得られたクローン(M15細胞)でFLAGタグが付加された全長MIBP1タンパク質を抗FLAG抗体で検出することができた。これによりMIBP1タンパク質が核と細胞質に局在すること、またその発現がTNF-α処理により上昇することが判明した。しかし、M15細胞でクロマチン免疫沈降を行ったが既知の結合配列への結合は検出されず、同細胞でのMIBP1タンパク質の発現レベルが低いためではないかと考えた。本年度は、MIBP1遺伝子の発現が高く、また神経系の細胞の性質を持つとされるHEK293細胞のゲノム編集を行い、複数のクローンを得た。これらのクローンを用いてMIBP1タンパク質が結合する配列の解析を行っている。
ゲノム編集が遺伝子発現に及ぼす影響として、M15細胞で3'-非翻訳配列(UTR)に外来配列が挿入されることにより、MIBP1 mRNAの分解が抑制されることも見出した。MIBP1 mRNAは半減期が短いmRNAであるが、その分解の制御に3'-UTRが重要な役割をはたしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Docosahexaenoic Acid Increases Vesicular Glutamate Transporter 2 Protein Levels in Differentiated NG108-15 Cells2022

    • 著者名/発表者名
      Miyazawa Daisuke、Lee Yeonjoo、Tsuchiya Mao、Tahira Tomoko、Mizutani Hideki、Ohara Naoki
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 45 ページ: 1385~1388

    • DOI

      10.1248/bpb.b22-00132

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脳神経機能に関与するHIVEP2遺伝子の転写および転写後調節の解析2023

    • 著者名/発表者名
      山本 蒼, 中川 朱里, 米田 幸香, 川原 侑奈, 須田 櫻, 髙田 真衣, 夏目 佳乃, 水谷 百合江, 山本 真菜, 宮澤 大介, 田平 知子
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] ドコサヘキサエン酸が分化誘導下NG108-15細胞の小胞グルタミン酸トランスポータータンパク質発現に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      宮澤 大介, 李 妍周, 土屋 茉央, 田平 知子, 水谷 秀樹, 大原 直樹
    • 学会等名
      第95回 日本生化学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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