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2018 年度 実施状況報告書

クロマチン高次構造から捉えるゲノムインプリンティング機構

研究課題

研究課題/領域番号 17K07248
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

冨川 順子  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期病態研究部, 研究員 (80534990)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアレル特異的 / SNPsplit
研究実績の概要

本研究計画では、ハイブリッドな遺伝的背景をもつマウスES細胞を用い、アレル別発現プロファイル、3C解析データと種々のエピゲノム解析により得た配列情報を統合解析することにより、アレル特異的なクロマチン高次構造やオープンクロマチン領域の網羅化、さらにインプリント遺伝子ドメインと相互作用するゲノム領域をアレル別に同定することを目的としている。
本年度は前年度に引き続き、RNA-seqデータの解析を進めた。オープンクロマチンの解析の際と同様、アレル別シークエンスデータの解析にはSNPsplitソフトウェアを用い、既知のインプリント遺伝子領域において片アレル型発現を確認した。また、ハイブリッドなES細胞を用いたChIP-seq(H3K4me3, H3K27ac, H3K4me1, H3K9me3, H3K27me3)の結果から各アレルのヒストン修飾パターンを検出したところ、既知のDMRの一部では、アレル特異的なH3K4me3およびH3K27ac修飾と相対するようにもう一方のアレルにH3K9me3修飾が入っていることを確認した。さらに、プロモーター領域およびDMR領域の濃縮過程を含むCapture Hi-C(CHi-C)法を新たに確立、施行しシークエンスライブラリを作製した。
その一方で、IG-DMR領域で、maternalアレルからMeg3とは逆向きに発現するアンチセンスRNAを発見した。このアンチセンスRNAは既報とは異なり、2 kb以上の長さを有しており(lncRNAの一種と思われる)、発生段階では胚盤胞期から発現していた。5’RACEを試み、このlncRNAの転写開始点の同定を試みたが、まだ決定できていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CHi-Cでは、シークエンスライブラリー 作製時、標的領域である非コードRNAを含む全プロモーターおよびDMRをキャプチャーするためのビオチン付加プローブを必要とする。このプローブの設計に思いの外時間がかかり、ライブラリ作製までは終了したものの、CHi-Cライブラリのシークエンスデータはまだ得られていない。
また、CHi-Cデータ解析にSNPsplitとともに用いる予定のCHiCAGOソフトウェアの整備がまだ整っておらず、シークエンスデータを取得しだい解析に入れるよう、現在その試行を進めている。

今後の研究の推進方策

30年度に引き続き、CHi-Cライブラリのシークエンシングおよびデータ解析環境の整備を進める。これにより、インプリント遺伝子発現に関わるシスエレメントの網羅化を行う。
また、IG-DMR領域で発見した、maternalアレルからMeg3とは逆向きに発現するアンチセンスRNAについて、その定性的解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

作製したCHi-Cライブラリがシークエンシングまで至っておらず、シークエンシングに要する費用として次年度使用費が生じることとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 発生段階特異的な機能的ゲノム高次構造の探索2018

    • 著者名/発表者名
      冨川順子、西園啓文、秦健一郎、中林一彦
    • 学会等名
      第12回日本エピジェネティクス研究会年会

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公開日: 2019-12-27  

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