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2017 年度 実施状況報告書

がんゲノム医療に向けたクリニカルシークエンスの変異解析パイプライン開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K07250
研究機関東京大学

研究代表者

上野 敏秀  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40381446)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードバイオインフォマティクス / 融合遺伝子探索
研究実績の概要

東京大学で開始されたがんゲノム個別化医療を目的とした「ゲノム医療研究プロジェクト」において、467種類の遺伝子の点突然変異・挿入欠失・コピー数異常、476種類の遺伝子融合を調べる東大オンコパネルを使用し、次世代シークエンサーで解読したRNAデータから遺伝子融合とエクソンスキッピングを解析するパイプラインを開発した。本パイプラインは、上記のプロジェクトに実装されている。融合点を含むリードの検出を目的としたアルゴリズムで、抗がん剤の存在する融合遺伝子に対しては仮想配列を事前に作成して確実に探索し、それ以外については、トランスクリプトームをリファレンスにして融合遺伝子ペアもしくはスキッピングしているエクソンを予測し、ダイナミックに仮想配列を作成して検出するものである。1リードからの検出感度を有するが、発がんに寄与しないものや擬陽性、更には試料汚染による検出のフィルタリング方法は今後も検討する必要がある。解析事例は、主に肺がんと肉腫症例で、臨床現場における前向き検体およびアーカイブ検体180例以上を解析した。病理診断時には原因を特定できなかった検体から疾患原因融合遺伝子が検出することができ、肉腫では新規の遺伝子融合が数多く検出され、診断のための有益な情報提供ができると共に、疾患の原因究明に向けた糸口になるような結果を得ることができた。現在はRNAパネルから発現量解析を可能にするプログラムの実装とパネルのバージョンアップに合わせたパイプラインのアップグレードを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ゲノム医療プロジェクトにおいて実際の臨床現場からの意見などを受け、パイプラインへの追加機能が求められたため、当初予定してした開発事項は遅らせている状況である。

今後の研究の推進方策

東大オンコパネルのバージョンアップが行われ、解析遺伝子数やプローブ設計が変更されている。今後は、新しいパネルに対応した解析パイプライン開発を進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Pediatric soft tissue tumor of the upper arm with LMNA-NTRK1 fusion2018

    • 著者名/発表者名
      Kohsaka Shinji、Saito Tsuyoshi、Akaike Keisuke、Suehara Yoshiyuki、Hayashi Takuo、Takagi Tatsuya、Kaneko Kazuo、Ueno Toshihide、Kojima Shinya、Kohashi Ken-ichi、Mano Hiroyuki、Oda Yoshinao、Yao Takashi
    • 雑誌名

      Human Pathology

      巻: 72 ページ: 167~173

    • DOI

      10.1016/j.humpath.2017.08.017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A method of high-throughput functional evaluation of EGFR gene variants of unknown significance in cancer2017

    • 著者名/発表者名
      Kohsaka Shinji、Nagano Masaaki、Ueno Toshihide、Suehara Yoshiyuki、Hayashi Takuo、Shimada Naoko、Takahashi Kazuhisa、Suzuki Kenji、Takamochi Kazuya、Takahashi Fumiyuki、Mano Hiroyuki
    • 雑誌名

      Science Translational Medicine

      巻: 9 ページ: ea6566~ea6566

    • DOI

      10.1126/scitranslmed.aan6566

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inactivating mutations and hypermethylation of the NKX2-1/TTF-1 gene in non-terminal respiratory unit-type lung adenocarcinomas2017

    • 著者名/発表者名
      Matsubara Daisuke、Soda Manabu、Yoshimoto Taichiro、Amano Yusuke、Sakuma Yuji、Yamato Azusa、Ueno Toshihide、Kojima Shinya、Shibano Tomoki、Hosono Yasuyuki、Kawazu Masahito、Yamashita Yoshihiro、Endo Shunsuke、Hagiwara Koichi、Fukayama Masashi、Takahashi Takashi、Mano Hiroyuki、Niki Toshiro
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 108 ページ: 1888~1896

    • DOI

      10.1111/cas.13313

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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