研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、精密医療を目指し世界中で進められている大規模ゲノム解析は、欧米人を対象とした情報の収集に偏っている。本課題では、日本人の遺伝的多様性を網羅する3,135人を対象に全ゲノム配列解析を行い、44,757,785箇所の変異を検出した。そのうちアレル頻度1%未満の98.9%の変異が今まで報告のない変異であることが判明した。またこれらの情報を活用することにより、正確な遺伝子型の推定や変異の同定が可能であることが分かった。本知見は、民族的に多様な集団からの遺伝的変異を既存のゲノム情報に統合することが、あらゆる人種を対象とした精密医療を実現するために不可欠であることを示唆するものである。
|