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2017 年度 実施状況報告書

大規模計測データからの汎用的な天然物生合成経路予測

研究課題

研究課題/領域番号 17K07260
研究機関東京工業大学

研究代表者

小寺 正明  東京工業大学, 生命理工学院, 講師 (90643669)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード生合成経路 / 複雑骨格分子 / 生合成単位 / 予測 / NetworkX / 化合物 / Fingerprint / 遺伝的アルゴリズム
研究実績の概要

生物は限られた数の基本部品から非常に多くの天然物を作る。本研究では生合成経路の解明および人為的な再設計を支援することを目的に、複雑骨格分子の生合成単位を自動的に予測する手法の開発を進めた。
MOLファイル(MDL V2000)から原子と結合の情報を取得し、NetworkXによって化合物をグラフ化した。その後、任意の結合を切断し化合物断片に分解、各断片を RDKit fingerprint, Avalon fingerprint, MACCS keys, Morgan fingerprint, Pattern fingerprint, KCF-S などのベクトルとして表現した。続いて、KEGG内の代謝経路既知の化合物(2113個)を候補化合物とし、各化合物断片と候補化合物群との類似度をTanimoto係数で評価した。各化合物断片において類似度が最大の化合物を抽出した。この過程を遺伝的アルゴリズムで最適化した。結果として、KEGG内の代謝経路未知の化合物2012個において、アルカロイド、フラボノイド、フェニルプロパノイド、テルペノイドに分類される化合物において90%以上の正解率を示した。この手法の利点として、結合を切るか切らないかの組み合わせは膨大な数になるが、それら全てのパターンを試さず最適化ができることである。また計算にかかる時間は基本的には世代数に依存し、どの化合物に対しても同程度の計算時間で済む。遺伝的アルゴリズム特有の問題点として、結果のランダム性と評価関数の設定に対する課題がある。また、原子数の多い化合物や複雑な環構造を持つ化合物に対しては、全く異なる生合成単位を予測してしまうことがある。Fingerprintの設計と類似性指標の問題が考えられ、それぞれ適切に選択しなければならない。
以上の知見を踏まえ現在はあらかじめ候補断片群を生成する別法を開発中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

提案手法1については国内のCBI学会でポスター発表を行いフィードバックを得て、提案手法2の開発によりいくつかの改善が得られている。

今後の研究の推進方策

提案手法2として、あらかじめ候補断片群を生成して検索する手法を考えている。まだ試験的な結果しか得られていないが提案手法1よりも良好な結果が得られつつある。その他に、これを利用した逆合成的解析手法も検討している。

次年度使用額が生じた理由

ポスター発表後、論文発表をし、その後追加実験を行う予定であったが、論文執筆の途中で年度終わりが来てしまい予算執行に間に合わなかった。そこで来年度に使用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Prediction of Biosynthetic Basic Parts of Compounds with Complicated Structures2017

    • 著者名/発表者名
      Kohei Amano, Tsubasa Matsumoto, Miyabi Hishinuma, Masaaki Kotera
    • 学会等名
      Chem-Bio Informatics Society Annual Meeting 2017
  • [学会発表] Prediction of natural biosynthetic pathway by reverse synthetic analysis2017

    • 著者名/発表者名
      Tsubasa Matsumoto, Kohei Amano, Miyabi Hishinuma, Masaaki Kotera
    • 学会等名
      Chem-Bio Informatics Society Annual Meeting 2017

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公開日: 2018-12-17  

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