研究課題
今年度は、これまでの日本産宝石サンゴ各種の遺伝子解析の結果に基づき、以下の検討を行った。トランスクリプトーム配列を元に各種の色素系遺伝子の組成解析を行い、いくつかの遺伝子では種間で組成に顕著な差異が確認された。シロサンゴを対象としたRAD-seq解析では、種内に異なる2クラスターが検出され、地域集団の遺伝的分化の可能性が示唆された。アカサンゴに関しては追加されたRAD-seqデータを用いて解析を行い、複数の地域集団の存在が確認された。 これは、日本近海における宝石サンゴの保全と適切な利用を考える上で重要な知見である。また、アカサンゴのRNA-Seq解析によって発見された3種類のアミノ酸ラセマーゼホモログ遺伝子について、リコンビナントタンパク質を用いた酵素機能の解析を進めた。その結果、アカサンゴには,D-セリン及びD-アスパラギン酸を合成可能なアミノ酸ラセマーゼが存在することが明らかとなった。宝石サンゴの炭酸塩骨軸と骨片に含まれる化学成分に関しては、誘導結合プラズマ発光分光装置および高速液体クロマトグラフを用いて骨軸および骨片に含まれる微量元素と色素成分を明らかにした。
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