近年の研究でRNA結合が様々なクロマチン因子の局在や機能を制御することがわかってきた。本研究では、HUSH complexと呼ばれる新規の転写抑制複合体の構成因子の一つであるMPP8とRNAの物理的・機能的相互作用について検証した。その結果、MPP8がRNA結合能を有し、細胞内では一部のZNF遺伝子座からの転写産物に結合することがわかった。また、MPP8-ZNF RNA間の相互作用とZNF RNAの核内滞留に比較的強い相関があることから、MPP8もしくはHUSH complexが一部のZNF遺伝子の転写後制御に関与していることが示唆された。よって、MPP8の新規機能の可能性を示すことができた。
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