タンパク質分子に起こるアセチル化は、その分子の働きを調節する翻訳後修飾の一つである。我々は線維性硬化症の疾患因子であるTSC2分子にアセチル化が起こることを見出した。本研究では、可逆的アセチル化によるTSC2分子の機能調節の可能性について研究を行った。その結果、TSC2のアセチル化は、TSC2分子内のリン酸化状態を変化させてTSC2の働きを調節すること、またmTORシグナリングの活性化因子であるRhebとTSC2との相互作用を変化させることを明らかにし、結果としてmTORシグナリングを活性化することを見出した。さらに、このアセチル化は概日リズムに伴って変動することを発見した。
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