本研究では生体内でのタンパク質の様々な分子認識機構を解明することを目標として研究を行った。具体的にはストレス応答タンパク質Keap1について、各種基質(Nrf2、各種親電子性物質、創薬候補化合物)とKeap1との相互作用をNMR法を用いて解析した。その結果Nrf2の2つの相互作用部位がKeap1二量体とそれぞれ異なる結合強度で結合し、さらに相互作用を阻害する化合物等を加えるとNrf2の結合が徐々に外れること、その過程で片方の結合部位が外れた状態で存在する中間状態が存在することを明らかにした。また各種創薬候補化合物や親電子性物質がKeap1とNrf2の相互作用に与える影響についても明らかにした。
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