本研究では、ヒストンシャペロンによる遺伝子発現制御機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。ヒストンシャペロンNPM1は主に核小体に局在するが、本研究の結果NF-kBやSTAT1、IRF1といった転写因子と直接結合して、転写因子の標的遺伝子の制御に関わることを明らかにした。また、NPM1はリンカーヒストン様因子であるHP1BP3と相互作用し、そのDNA結合の制御にも関わる可能性が示唆された。これまで、ヒストンシャペロンによる遺伝子発現の制御機構は不明であった。本研究から、ヒストンシャペロンが転写因子やリンカーヒストンのDNA結合制御を介して、遺伝子の発現制御に関わることが示唆された。
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